Vol. 001
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「本を読んでいる人たち」


本を読むとき
別の誰かもどこかで同じように
本を読んでいるのかと考える


同じ喫茶店に偶然居合わせた人々のように

各々の時間をそれぞれ過ごしていながら
明日には忘れてしまうくらいの緩やかな縁で繋がっている
微かな連帯感と幸福感が好きだ

ただ
家に一人でいる時間はそうもいかないから
一人黙々と本を読む


孤独を感じるには丁度良いんだけれど
もしも見えないくらいの小さな隣人が
一緒に本を読んでいるなら喫茶店にいるような連帯感を少しは感じれるのかもしれないなと思う






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